救急蘇生法(倒れている人に対して、行うべきこと。AEDを含めて)

人命救助(救急蘇生法)に関しては、たとえその結果が(首尾よく行うことができなくて)死亡することになってしまった場合でも、善意に基づく行動であれば、決して後になって法律的にも責任を問われたりすることは一切ありません。 ぜひ勇気を出して救急蘇生法を行いましょう。

2010年に救急蘇生法はアメリカ心臓学会(AHA)により、(これまでより)かなり簡略化された方法に変更されました。日本でもこの方法になりました。

簡略化することにより、蘇生率(救命率)を上げようという狙いです。

新しい救急蘇生法では、倒れている人の”意識と呼吸がない”のが確認されたら、人工呼吸をしなくて、いきなり心臓マッサージを行ってもよいことになり、その後も一切人工呼吸をしなくて、心臓マッサージのみを行うということでもよいことになりました。

心臓マッサージだけでも、十二分に救急蘇生効果があるのです。

(もちろん可能ならば人工呼吸やAEDも併せておこなうのがよいのですが、それが不可能であったり、その手技に不慣れな場合は、心臓マッサージのみを途切れることなく続けて救急車の到着を待ってもよいのです。)

心肺停止(心臓の動きが停止)して3~4分以内に心臓マッサージやAEDにより”血液の循環機能”を回復させることができれば、その後の身体機能などの回復が極めて良好であり後遺症もかなり軽くすみます。

つまり心肺停止後、いかに少しでも早く心臓マッサージを開始できるかどうかが、その後のその人の人生の命運を大きく左右するのです。

119番通報してから救急車が到着するのに(日本では)平均約7分かかります。

ですから、”倒れている人”の近くに居合わせた人が、できる限り早く心臓マッサージを始めることが人命救助にはきわめて重要なのです。

救急蘇生法の具体的な流れ

とりあえず、”倒れている人”の周りの車の通行、火災、煙による危険などを把握し、必要ならば移動させるなどして周辺の安全を確保します。

  • 1
    まず初めに、意識と呼吸の確認を行います

意識の確認は、倒れている人の肩を軽くたたきながら「大丈夫ですか?、大丈夫ですか?」などと、できるだけ大きな声で呼びかけて、それに対する反応の有無で判断します。

呼吸の確認は倒れている人の胸と腹部の上下の動きの有無を見て、倒れている人が”呼吸”しているかどうかを判断します。

意識と呼吸の確認ができない場合の対応

(声をかけても何の反応もなく、呼吸が確認できない時)

すぐに「誰か来てください。人が倒れています!」などと、できるだけ大声で叫び周囲の人の協力も求めます。

同時に、一刻も早く119番へ通報します。

周りに人がいなければ、発見者自身が、まず119番通報します。

周りに人がいれば、119番通報をお願いし、またAEDが近くにあれば持ってきてもらいます。

周りの人に依頼する時、依頼する人を指差して「あなたは119番通報(AED)をお願いします」などと、具体的に”どの人が依頼を受けたのかが明確に”なるような言い方をすることが、きわめて重要です。

こんな緊急時でも、依頼したつもりが、うまく相手に伝わらなかったための悲劇が起きうるからです。

意識と呼吸の確認ができた場合の対応

(声をかけて反応があり、呼吸が確認できた時)

この場合でも、少しでも意識状態の低下や、心身の状態に異常がある疑いがあれば119番通報をします。

意識と呼吸の確認ができた場合には下記のような回復体位(昏睡位)という姿勢にします。

図は”救急蘇生法の指針2010”(へるす出版)より引用

  • 2
    口の中に食べ物などの異物が入っている場合は取り出します

(異物が気道をふさぎ呼吸困難な状態になってしまうからです。)

  • 3
    多量の出血がある場合は、まず止血が必要です

体重52kgの人で、2リツトル程度の出血があれば、死亡してしまう可能性もあります。

止血するには、傷口より心臓に近い(拍動している)動脈の太い血管の上の皮膚を手のひらの付け根および布で強く圧迫し続けることが非常に重要です。

ただし、倒れている人が感染症に患っている可能性がありますので、できれば血液に触れないで対応するほうがよいでしょう。

  • 4
    気道の確保をします(下のイラストを参照してください)

図は”救急蘇生法の指針2010”(へるす出版)より引用

ただしプールでの飛込み直後の(頭部のプール底部への強打による)意識不明による救急蘇生では、(頚椎損傷の疑いが高いので)頚椎を極力動かさないようにする必要があり(上の”気道確保”の図において)額の部分での押し下げは行わず、”下顎骨の挙上”だけを行って気道確保をします。

この場合に限り”下顎骨の挙上”は、下顎骨を(回転させるのでなくて)天井方向に引き上げるようにしましょう。

 なお、最近ではこの際、脈拍の確認はしなくてもよいことになりました。

  • 5
    心臓マッサージを実施します(下のイラストを参照してください

心臓マッサージの具体的な方法は、手の平の付け根の部分で胸骨を大人の場合で毎回5cm以上沈み込むように、1分間に100回以上のリズムで断続的に押すのです。

 図は”救急蘇生法の指針2010”(へるす出版)より引用

  • 6
    AEDの実施

可能ならば心臓マッサージをしながら、AEDも試みます。しかし周りにほかに人がいなくてAEDを用意できない時は、心臓マッサージだけを救急車が到着するまで続けます。

決してAEDのために心臓マッサージを中断してはいけません。

あくまで周りに他に協力者がいて心臓マッサージと並行してAEDも準備できる場合のみAEDも試みます。

 ※AEDとは、「突然心臓のリズムに異常が発生した人」の心臓のリズムを、電気ショックを与えることにより再び正しいリズムに戻し、蘇生するための治療機器です。

すべてのAEDの器械には操作時に音声ガイドが必ず流れることになっていて、たとえ取り扱いがまったく初めての人でも音声ガイドに従えば、必ず正しく作動でき、またすべてのAEDには安全装置が付いていて、たとえ、もし心臓が動いているのに誤作動させてしまった場合でも、AEDの器械自身の内部で正しく判定し作動しないです。

AEDは、まったく触れるのが初めての人でも100%確実に安全に取り扱え作動させることができます。

AEDに触れるのが、まったく初めての人も、このような場に遭遇した場合は、ためらわず勇気を出して積極的にAEDを操作してください。

救急車の到着するまで、または意識や呼吸が回復するまで、心臓マッサージは途切れることなく続けます。(可能ならば、複数の人々が交代しながら行うと、よりよいです)

もしも意識や呼吸が回復した場合は心臓マッサージを中止して、回復体位(当記事の一番上のイラストを参照)にして救急車の到着を待ちます。

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